WCWハロウィン・ヘイボック’91に学ぶ、大人のハロウィンの楽しみ方

10月31日はハロウィンである。日本でもここ数年、コスプレを中心にハロウィンパーティーが急速に広まりつつある。しかし、トリック・オア・トリートすらない、コスプレしたいけどプライドが邪魔してなかなかできない人たちが公然とコスプレするだけのイベントになってしまったようである。
このようなコスプレイベントではあるが、色々ハロウィン向けのグッズも登場しており、マーケティングの機会としては成立している。

もともと海外の文化であるハロウィンだが、やはりアメリカは盛り上がり方が違う。特にWCWで盛り上がったと言われるハロウィン・ヘイボック ’91を元に考察をしてみる。



ハロウィン・ヘイボックとは

ハロウィン・ヘイボックとはアメリカンプロレスの雄であったWCW(現WWEに買収されて消滅)がこの時期に行なっていたPPVのビッグマッチである。意味はハロウィン大騒動といったところであろうか。

1989年から始まり、2000年の大会まで開催しており、日本人選手も登場したことがある。1989年のメインでグレート・ムタがテリー・ファンクと組んでスティングとリック・フレアー組とを皮切りに、1995年にKURASAWAの名前でホーク・ウォーリアーと対戦。1997年に永田裕志とウルティモ・ドラゴンが対戦している。

対戦カードもハリウッド・ホーガンvsランディ・サベージやvsロディ・パイパー、ゴールドバーグvsDDPなど時代の変遷に合わせて数多くのスター選手による豪華なカードも組まれていた。

ハロウィン要素も少しだけ入れており、オープニングの映像はハロウィンをテーマに製作されていた。

真似したい「ブッチャー感電死!?」のインパクト

おそらく91年ハロウィン・ヘイボックのセルビデオには78%の人は衝撃を覚えたのではなかろうか。
なぜならそのサブタイトルが「ブッチャー感電死!?」であり、電気椅子で力尽きたブッチャーがパッケージとなっていたのである。レンタルビデオ屋でこのパッケージに目を奪われ足を止めた人も多いことだろう。

そしてこの試合の何が凄いかというと、ブッチャー感電死!?となった試合はメインイベントではなく、第一試合だったということである。
メインイベントがレックス・ルーガーとロン・シモンズのWCWヘビー級王座戦だったが遥かに上回るインパクトであった。
このため、ハロウィン・ヘイボックといえば後にも先にもこの91年の大会を意味することが多くなった。

チェンバー・オブ・ホラーズ・マッチ

恐怖の部屋と訳されるチャンバー・オブ・ホラーズはどのような試合形式だったのだろうか。これはリング周囲には金網があり、リング常に鉄格子の小屋が釣り上げられ、そこには電気椅子が設置してあった。
そして対戦相手を電気椅子に座らせリング周囲の金網に設置してあるスイッチで電流を流して勝敗を決める対戦形式である。

この試合は4対4で行われ、日本でも馴染みの深い選手ばかり登場している。スティング、リック・スタイナー、スコット・スタイナー、エル・ヒガンテ組VSベイダー、ブッチャー、カクタス・ジャック、ダイヤモンド・スタッド組である。カクタス・ジャックといえば全日本にも上がりIWAにも登場したデスマッチの猛者でWWF時代のマンカインドやデュード・ラブ、いやミック・フォーリーといえばわかるだろう。あまり聞き馴染みのないダイヤモンド・スタッドでも、スコット・ホールもしくはレイザー・ラモンといえばピンと来るのではなかろうか。

試合はカクタス・ジャックが金網のスイッチのところに登り着いたところで、ブッチャーがリック・スタイナーに地獄突きを入れ電気椅子に座らせる。固定しようとするところをリックがブッチャーを抱きかかえ体を入れ替える。リックがブッチャーの腕を椅子にロックし、頭の電極を被せたところで、仲間であるカクタス・ジャックが入れ替わりブッチャーが座っていることも知らずにスイッチを入れてしまう!
鉄格子から火花が飛び散り、リングが少し燃えてしまう。ブッチャーは感電してしまい失神するのだが、カクタス・ジャックが恐る恐る近寄りブッチャーを気遣う。
そしてブッチャーは意識を取り戻して、荒れ狂って退場するという結末である。

カクタス・ジャックの若さからのチラ見

試合全体でいえば飛んだ茶番の要素が満載である。しかし、そこを楽しむ余裕が人間には必要である。
電気椅子で感電したとされるブッチャーも目をひん剥いて凶暴なレスラーに徹するところも非常に好感が持てる内容である。そして、何よりスイッチを下ろしたカクタス・ジャックがポイントであろう。

金網によじ登りスイッチの近くでバンバンとポーズを取るもなかなかスイッチが下ろせない。リックはブッチャーを固定するのに少し手間取ってしまうため、カクタスはみ金網にただしがみついているのである。
ヒガンテやスティング、スコットなど相手チームが絡んできたら時間をうまいこと潰すことができるが、誰もこない。だからチラチラっと電気椅子を確認してしまうのである。
そして、ブッチャーが固定されたところでようやくスイッチを入れることができたカクタスであるが、アレンジの効いたことはできなかった。
もう少し成長した大人のカクタスであれば一度自分から落っこちて時間を上手に調整することができたであろう。カクタスの若さゆえ・・、というところもハロウィン・ヘイボック’91の見どころでもある。

大人のハロウィンの楽しみ方

もともとハロウィンとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す習慣である。そのため子供が悪霊の格好をしトリック・オア・トリートと言って回るのである。
そしてハロウィンはアメリカで進化をしてハロウィン・ヘイボックへと繋がり、ブッチャー感電死!?ができたのである。

現在、ただのコスプレ欲求を満たすだけに成り下がってしまったハロウィン。新世界ハロウィン機構(nWHo)*が日本のハロウィンのあり方に警鐘を鳴らしている。
大人であれば子供と同じようにコスプレはせず、もっとホラー感の溢れるものであるべきである。それには鉄格子の部屋だったり、電気椅子だったりと大掛かりになってしまうかもしれない。
しかし、大人であるなら大人のハロウィンとしてチェンバー・オブ・ホラーズ・マッチをやりながら収穫のお祝いを楽しんでみてはどうだろうか。

*nWHo ・・・new world halloween organization 新世界ハロウィン機構と呼ばれる架空のハロウィン実行団体

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