受験や資格試験で残念ながら実力が足りない、でもどうしても合格したいと考え不正を働く人が毎年出ている。
かつてザ・カンニングという映画が流行りあらゆるカンニング手法がコミカルに表現されていた。最近ではハイテク技術を使い、通信しながらカンニングするということもあったようだ。
そして、不正にはもう一つある。それは身代わりである。顔認証がまだ目視で行われることもあり、容姿を似せて試験を受けさせるというやり方だが、やはり他人は他人で兄弟でもない限りなかなか似ないものだろう。
かつてプロレス界にも身代わりをしながら戦うザ・ブラックハーツというタッグチームがあった。
今回は不正は推奨しないが、必要とあれば相手にバレないような身代わりについてザ・ブラックハーツで考察をする。
ザ・ブラックハーツとは
釈迦に説法とは思うが、まずザ・ブラックハーツのことをおさらいしよう。
ザ・ブラックハーツはアポカリプスとディストラクションによる怪奇派のタッグチームで、1991年に全日本プロレスに参戦している。
黒いフードに黒いガウンを羽織り、顔に真っ白のデスマスクを填めてオペラ座の怪人の曲で入場していた。オーバーコスチュームを脱ぐと目や鼻口どこも露出のない真っ黒のマスクを被っていた。コスチュームはツーショルダーで黒白のものを二人とも着用していた。
胸の部分の幅や背中部分など多少の違いはあるものの似たようなコスチューム、同様の体躯であるためぱっと見見分けがつかない。
おそらくではあるが、胸の部分が広く、背中がつながっている衣装がアポカリプス、胸があまり出ていない方がディストラクションと言われていた。
ちなみにディストラクションの中の人ことデビット・ヒースはのちのWWFでギャングレルとして吸血鬼のギミックで登場している。
ザ・ブラックハーツの得意技
ザ・ブラック・ハーツの実力はというと個人では奇声が目立つがタッグチームとしての連携は豊富。
コーナーを使った技の場合は土台や準備役になるのがアポカリプスで、メインで技を仕掛けるのがディストラクションである。
<ダブルのブルドッキングヘッドロック>
二人左右から頭を抱えて行うブルドッキングヘッドロック
<ダブルの前転式クローズライン>
試合の序盤、中盤と行う。手をつなぎクローズラインをするがインパクトの瞬間に合わせて前転を行う。
動きが大きいのでただのクローズラインよりも大きく見える。一番スムーズな連携技と思われる。
<ダブルのボディパンチ>
二人がかりで相手のボディに膝を付いた状態でパンチを入れる。
<ダブルのリバウンド式ブレーンバスター>
二人左右から抱えて行うブレーンバスターで一度ロープに相手をぶつけ、その反動でブレーンバスターを行う。
<ダブルの雪崩式ブレーンバスター>
二人左右から抱えるコーナー2段目からのブレーンバスター
<雪崩式の合体パワーボム>
アポカリプスが相手を方に担ぎ上げてコーナーで待機するディストラクションへ渡し、頭を起こして繰り出す雪崩式のパワーボム。
<ベアハッグ中へのダイビングギロチンドロップ>
アポカリプスが相手を一度相手をベアハッグして、抱えながら相手を倒しこむ。そこへコーナー最上段からディストラクションがギロチンドロップ。
<場外落としからのダイビング・ダブルアックスハンドル>
アポカリプスが場外へ相手を落とした直後に、コーナー最上段から場外へ向けてのダブルアックスハンドル。
<場外でくるりと周り入れ替わる>
場外へエスケープして、レフェリーの目をかいくぐり入れ替わる。ジョー樋口や和田京平の目もかいくぐる切れ味。
入れ替わりはこうして行われた
ジョー樋口や和田京平は日本を代表するレフェリーであるが、その二人をしてもブラックハーツの入れ替わりを見破ることはできなかった。それほど巧妙に入れ買われたのには理由がある。
入れ替わりのやり方はこうである。パターン1は場外でエスケープした時にコーナーで控えているもう一方が近寄る。レフリーが見ていないタイミングを計り、もさもさ回り込みながら二人の体を入れ替えリングインする。もうパターン2は場外エスケープした仲間に近寄り、レフリーが背を向けている隙にそのまま入れ替わりリングインをする。入れ替わりが成功するのは二人がぱっと見同じなのでしれーっと入れ替わることができるのである。「タイツの胸の部分が違うじゃないか!」とか「実況はわかってるようだ・・・」とか指摘するんは野暮なのである。
成功させるポイントは二つある。一つは顔を全て隠し黒一色にしたことである。もし、ここで何か一色でも入れてたり、変化があるようなデザインにしようものなら、逆にそこに注目を集めてしまうために入れ替わりはバレてしまうだろう。
もう一つは同様の体格、肌の色であったことである。そのため衣装が若干違っても気づかれずに済んでいる。厳密には胸や背中の部分が違っているが同じような体型、肌色のためにそこの違いに気づきにくいのである。
人間誰しも入れ替わることで困難を回避できるなら入れ替わりたいと思うことだろう。海外ドラマで「SUIT」という弁護士もののドラマがあるが、メインキャラが学生時代に司法試験の入れ替わりを請け負っていたことで後々大変な目に遭うというものがある。これはドラマでの話かもしれないが不正に入れ替わるととんでもないしっぺ返しがくるだろう。だから不正に使うのは推奨しないが、もし人生のどこかで入れ替わりが必要な時はポイントを抑えて入れ替わって見てはどうだろうか。
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