9月24日DESTRUCTION in KOBEにてケニー・オメガの持つUSヘビー級王座にジュース・ロビンソンが挑戦した。試合の3週間ほど前に右半月板損傷の深手を負ったオメガ。足の負傷に苦しみながらも、雪崩式の片翼の天使で辛くもオメガが勝利を掴んだ。
そして会見の席にYOSHI-HASHIが登場。USヘビー級への挑戦を表明いたのである。
今後のUSヘビー級戦線について真面目に考えてみた。
なぜYOSHI-HASHIが挑戦を表明
まず結論から言えば、YOSHI-HASHIの挑戦表明はアリだと思う。
去年の9月22日に行われたDESTRUCTION in HIROSHIMAでの試合。ケニー・オメガの持つIWGP挑戦権をかけた試合。元々は2016年のG1優勝者であるオメガが公式戦にYOSHI-HASHIに負けていることで組まれた試合。今年の内藤-石井の絡みと同じ流れ。
YOSHI-HASHIはG1初出場の年でオメガに勝ったことで、この広島の試合につながっている。
YOSHI-HASHIが言っていた「俺のハートは折れていない」とは2016年のこの試合の時にも言っている。そして、試合には負けたもののハートは折れていなかった。
ベルトに絡むには実力不足?
一部のプロレス好きの間でYOSHI-HASHIが挑戦を表明したことをよく思わない人もいたようだ。
その理由はCHAOSでの序列も低さも影響があるだろう。
また前年の試合も結果からも物足りなさがあるようだ。しかし前年の試合はそう悪くはないと思っている。腰のダメージなどもあり、片翼の天使でカウントを奪われ負けはしたが、この試合30分以上戦っており、またオメガの技もよく受けている。ただ中盤に腰の痛みで動きが悪くなり、一方的に攻められた時間もあったので、まぁこの時点での力不足と思われても仕方がないだろう。
しかし、あれから一年が経過している。同期のオカダがIWGP王者だったり、同じ年の内藤はIWGPやインターコンチネンタル戦線に出てたりと大きく差が出ているがレスラーとしては油が乗る時期ではなかろうか。
なぜUSヘビー級なのか
新日本プロレスがアメリカ進出を狙い新しく設定された王座がUSヘビー級である。初代王者がケニー・オメガで、初防衛の相手がジュース・ロビンソン。つまり外国で固めていたのに、YOSHI-HASHIが挑戦表明である。アメリカ向けのベルトではあるが初代決定のトーナメントに内藤と石井が参加していることもあり、
YOSHI-HASHIがUSヘビー級に挑戦することはそうおかしなことでも無い。
しかし、IWGPやインターコンチネンタルがあるにもかかわらずなぜUSヘビー級なんだろうか。
それは一重にベルト戦線のメンツ事情があるからであろう。今後もベルトは統一されず独自で価値を高めていく場合、その戦線に加わっているものは他のベルト及びその戦線に加わっているレスラーとは絡むことができない(因果関係を持つことができない)。WWEのロウとスマックダウンのようなものといえばわかりやすいだろうか。
もし統一戦をすれば武藤がグレーテスト18クラブを返上し無価値にしたように、IWGP以外を無価値にする可能性もあるだろう。
IWGPでは現在オカダが王者で、挑戦権保有者が内藤、G1の因縁で抜擢されたのが石井とEVILである。G1決勝で内藤と戦ったオメガはIWGP戦線から外される。
インターコンチネンタルは王者が棚橋、指名したのが飯伏である。インターコンチネンタルはしばらく棚橋を王者に据えて、飯伏物語を始めるのではなかろうかと考えている。
NEVERは現在鈴木みのるが王者ではあるが、おそらくここには後藤と柴田が再び絡むことのではなかろうか。
そう考えると残るはUSヘビー級である。もともとUSヘビーの決勝がオメガと石井の試合だったので石井でも良かったわけだが、同じ人物での連戦を避けることと内藤との因縁用に石井がIWGP戦線側に巻き込まれたと思われる。
そこで、じゃあなんでYOSHI-HASHIなの?となるとそれは次期スター選手のブレイクに他ならない。キャリア的にもここがブレイク時ではある。
インターコンチネンタルもそうだが、USヘビー級も選手をブレイクさせるストーリー作りのためかもしれない。そのため王者にはその象徴を据えて置き、大一番の舞台で象徴を好勝負を演じることでブレイクのきっかけ作りを与えることができる。
また別の角度から見るとオメガとの因縁のあるストーリーがある選手が他にいないこともある。後藤は2016年のG1とそのと次に負けてオメガとの絡みの線から外れている。遡ってYOSHI-HASHIとなった可能性もある。決して一年前の因縁が濃い関係等は思わないが、先日のジュース・ロビンソンも関わりが薄かったし、もしエルガンにしても薄いだろう。
YOSHI-HASHIに望むもの
濃厚な一つ理由がなく、いろんな薄い事情が混じり合って濃くなっている感じがする。
USヘビーなだけにシカゴで、YOSHI-HASHI相手の防衛戦が決まったようで昨年よりはるかにレベルの高い内容であることが必須だろう。
それは決して長い試合というわけでもなく、危険な技の応酬をするということでもなく、ベルトの価値を高める試合をしてほしい。それができれば自ずとシングルのベルト戦線に顔を出す常連になるだろう。
ベルトの価値は誰が持っているかではなく、どういう相手と戦い、どのような内容で制したかにより価値が高まる。
歴史のあるIWGPとは違い、USヘビーやインターコンチはベルトの価値を高めていくことでより団体内のベルトをめぐる争いも面白みが増すだろう。
その過程で、IWGP以外のベルトに意味合いをつければいいのではなかろうか。
Leave a Reply