これまで経験したことがない新しいことをやりたい。いざ、何かをしようとするときにその一歩が踏み出せないということがよくあるであろう。
この踏み出せない原因として、失敗した時のイメージから失うものを想像しやすいために躊躇してしまうのである。喪失感や痛みによるストレスを本能が回避するためなのだが、ここで踏みとどまり飛び出すことが成功の鍵になる。
プロレス技にも頭から突っ込むダイビング・ヘッドバットという自分も危険な目に会う可能性の高い技がある。
今回はそんなダイビング・ヘッドバットを考察する。
ダイビング・ヘッドバットとは
まずダイビング・ヘッドバットとはどのような技か説明が必要だろう。自分のおでこを強か相手に打ち付ける技がヘッドバットなのだが、コーナー最上段からダウンしている相手にめがけて行うのがダイビング・ヘッドバットである。
コーナーから飛ぶ他の技と同様に回避されるとヒットすればダメージは大きいが、回避されるとそのダメージは全て自分に帰ってくるという危険な技である。
また、成功してもインパクトの衝撃が首にかかるため首を鍛えていても負担は大きい危険な技である。プロレス技の中でも諸刃の剣ともいえよう。
ダイビング・ヘッドバットの違い
一言にダイビング・ヘッドバットと言っても違いはある。大きく分けて2つで、短距離直下型と遠距離飛来型になる。ダメージの大きさで言えば遠距離飛来型の方が大きいが、自爆した時に受けるダメージも当然大きくなる。
短距離直下型
ダイビングする際の発射角度で水平方向の角度が0°(倒れこむもの)から角度がマイナス(頭が足先より下になる状態)のものを指す。
ハーリー・レイスがもっとも得意とするもので、特にレイスはマイナス角のものであった。日本人では本間朋晃が角度0の倒れこむものである。
ダメージをエネルギーで表すとF=重量×加速度となることから、短距離直下型の場合はF=重量m×重力加速度gであるが、さらに頭部の位置エネルギーhとして考えると与えるダメージの最大値は体重×重力加速度×身長とも言える。
さらにここでインパクト時のポイントなど技術や経験からくる効果的にダメージを与える確率の経験係数をkとすると、そのヘッドバットのダメージ式は位置エネルギーJ=体重m×重力加速度g×身長h×経験係数kとなる。
参考でハーリー・レイスで考えてみると、レイスの身長体重は185cm・122kgである。経験係数を0.9と仮定して計算してみると
J=mghk=122× 9.8×1.85×0.9=1990.7となる。
これを本間朋晃で考えてみると、本間の身長体重は181cm・98kgである。経験係数を0.7と仮定して計算してみると
J=mghk=98×9.8×1.81×0.7=1216.8となる。
単純に身長体重が大きい方がJは大きい。ただ、ここに入射角やヒットする部位なども関わってくるがあえて割愛する。
遠距離飛来型
離れた相手めがけて行うダイビング・ヘッドバットであり、距離を稼ぐ必要があることから踏切の際に斜め上に飛び上がるものでる。代表的なのはやはりダイナマイト・キッドであろう。また日本人ではスーパーストロングマシンである。
飛距離を伸ばすために重要なのはジャンプ力もそうだが、不安定なトップロープでの踏切り方にある。踏切方が悪いと発射角度が取れず飛距離が不足するため、インペクトの際のダメージが激減する。
遠距離飛来型のダメージは位置エネルギーJに運動エネルギーKが加算される。運動エネルギーの公式からK=1/2×質量m×速度Vの2乗からK=1/2×体重m×踏切時の加速度a×相手までの距離sとなる。またこれにも経験係数kが含まれる。
また踏切時の加速度aについては斜めに飛び上がる際の加速度よりcosθから導くことができ、cosθはその最適な角度を導き出す確率の経験係数kをかけことで求めることができる。
このことから与えるダメージはJ+K=mghk+1/2maksつまりJ+K=体重m×経験係数k×(重量加速度g×身長h+1/2×踏切加速度a×相手までの距離s)となる。
ダイナマイト・キッドで考えてみると、3m先の相手に向かってダイビング・ヘッドバットを行う場合、キッドの身長体重は178cm105kgで、踏切の加速度を2とすると
J+K=105×0.9×(9.8×1.75+1/2×2×3)=1905.8となる。
同じようにスーパーストロングマシンが3m先にダイビング・ヘッドバットをこなった場合、マシンの身長体重は183cm・115kgで、踏切の加速度を1.6とすると
J+K=115×0.8×(9.8×1.81+1/2×1.6×3)=1852.7となる。
ただ、ここにも入射角やヒットする部位なども関わってくるがあえて割愛する。
むやみに飛び込まず、準備が大切
勇気を持って飛び込むことで成功するダイビング・ヘッドバットであるが、ただむやみに飛び込めばいいというものではない。むやみに飛び込むのは無謀であり、勇気と無謀は異なる。
多くの場合、ダイビング・ヘッドバットは試合終盤に繰り出される。これには理由があり、十分なダメージを与えて相手が回避する余力を奪ってから繰り出すことで成功率を高めるのである。もちろん読み違えて回避されたり、デッドリードライブで切り返されたりもする。
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これはもちろんプロレス以外にも当てはまる。仮に異性に声をかけることが躊躇われるなら、まず勇気を出して声をかける前に身だしなみを意識してみよう。清潔感のある身だしなみであればそれだけで成功率が上がるであろう。
また英語が苦手で外国人に話しかけづらい場合でも、笑顔になるだけで相手も話を聞いてくれるのである。
事前に準備をすることで心構えもできてくる。そしてネガティブなことを考えずに勇気を出すことができれば、道は切り開けるであろう。