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[感想]10・9 KING OF PRO-WRESTLING 両国大会 第8試合 IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 石井智宏 vs 内藤哲也

2017年10月9日の新日本プロレス KING OF PRO-WRESTLING 両国大会が開催された。大会の目玉としてオカダ・カズチカの持つIWGPにEVILが挑戦する選手権試合、内藤哲也のもつ1・4東京ドームのメイン出場ができるIWGP挑戦権利証に石井智宏が挑戦した。

G1での因縁を引っ張るカードが複数組まれている。また、田口リコシェが持つIWGPジュニアヘビータッグ王座への挑戦で正体不明の二人組が挑戦するというところも見所。

そこで今回は第8試合IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 石井智宏 vs 内藤哲也の感想を紹介。


第8試合の見どころ

第8試合 IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 ●石井智宏 [デスティーノ→体固め] ◯内藤哲也

USヘビー級トーナメントとG1で続けて石井に負けた内藤の石井指名試合。挑戦権利証保持者は1・4までに必ず防衛戦を行なっており、相手はG1で負けている相手となる模様。今回石井の指名には誰かあげるとしたらということで石井が指名されている。

この石井指名で内藤と石井での捉え方が全く違っており、舌戦ではあまり噛み合っていない印象。内藤からすれば「1・4の挑戦権は欲しくないのか?欲しいならハッキリしろ」、というメッセージにしても、石井からすれば「連敗してそのままドームに行くのが怖いんだろ。リベンジしたいんだろ」という解釈。

決してどちらかが間違っているとは思わないが、興行的なことを考えると1・4の挑戦権の方が価値がある。そんな噛み合わない主張がどうなるかが見モノ。

試合展開

押す石井と躱す内藤

石井がいかつい顔で先に入場。後から内藤がスーツ姿で権利証入りのブリーフケースを持ちゆっくりと入場。開始前に内藤がゆっくりと衣装を脱ぐ。
ゴングが鳴り、場内に内藤コールが起きる。石井がロックアップを仕掛けるも、内藤は組まず後ろに下がる。はぐらかすように間合いをとる内藤に対し、石井がエルボー。内藤をロープに振ろうとするが、内藤が体を入れ替えサミング、そして場外に石井を落とす。場外の石井を確認し、ロープワークから飛ぶ気配を見せるも飛ばず、リング中央で寝そべって余裕を見せる。
ところが石井もロープワーク中にリングに戻り、寝そべった内藤の頭部にスレッジハンマー。内藤を起こし、頭突き、逆水平チョップでロープに追い詰め逆水平チョップから挑発をする。内藤は脱力した感じでこれを受ける。
石井がブレーンバスターを狙うも、内藤は踏ん張り、組んだ状態から脱出。腕をとった内藤が反撃しようとするが、カウンターでエルボーをもらってしまう。石井が追撃のためロープに走るが、内藤がカウンターでマンハッタンドロップをし、低空のドロップキックを右膝に入れる。

石井、たまらず場外へエスケープする。内藤もゆっくり場外へ。石井を捕まえ鉄柵へ打ち付ける。鉄柵に衝突したダメージを堪え反撃に出る石井だったが、ここでも内藤にカウンターのマンハッタンドロップ、右足に低空のドロップキックまでもらう。
内藤は右膝に狙いを決めてストンピング。エプロンに石井の右足を乗せてエルボー連打する。石井が膝を抱えてダウンしている間、内藤はリング上で横になって待っている。

リング復帰した石井を捕まえ、右足をセカンドロープにかけた状態でエルボーの連打、ストンピング、ドロップキックと徹底して打撃で右膝を攻める。痛さでダウンしている石井の右足にレッグロックをする内藤。石井はどうにかロープエスケープをする。ダウンしている石井の頭部を蹴る内藤に、石井は立ち上がり逆水平チョップで反撃。しかし右膝に蹴りを入れて、右足を持ち上げる内藤。ビンタで反撃する石井、さらにビンタを避けて唾を吐きかけ足にエルボーをする内藤と攻防が入れ替わる。内藤は低空ドロップキックをするためにロープへ走るが、逆に左足に低空ドロップキックをやられることになる。
石井は内藤の頭を掴み起こすが、隙を疲れて右足にストンピングをされる。二発目のストンピングをキャッチした石井は、足を払い後ろ向きの内藤の左足に低空のドロップキック。

立ち上がった内藤をコーナーに追い詰め、逆水平チョップとエルボーでの連続攻撃。崩れ落ちた内藤を立ち上がらせさらに連続攻撃。さらにブレーンバスター。仕掛けた石井も足の痛みを気にする。
ハーフダウンの内藤に対して、小突くような感じで頭を蹴る石井。内藤を起こしてパワーボムを狙おうとするが、内藤が踏ん張る。そこで石井は技を解き、頭突きの連打で内藤を弱らせる。
弱った内藤に対して再度パワーボムを試み、上まで持ち上げることができたが、際頂点で内藤がナックルを入れて脱出。ラリアットに来る石井の腕をかいくぐり、リバースDDTの体勢から膝を立ててのネックブリーカー、そして首への低空ドロップキックで攻撃ポイントを首へと変更する。

ダブルノックダウンが続く

先に立ち上がった内藤が石井を起こすが、石井はバックドロップを狙うために胴体をクラッチする。踏ん張りながらエルボー連打でバックドロップを回避した内藤はスイングDDTを狙うも石井がスッと抜ける。そして内藤は低空のドロップキックを狙うも石井は回避。石井がラリアットを狙うが、内藤はこれを躱し延髄斬りを狙う。しかし、石井はこれを回避し、ロープへダッシュ。これに内藤がバックエルボーをカウンターで入れラリアットを狙うが、一瞬の隙をついて石井が捻りを加えたバックドロップで切り返す。すでに両者ノックアウト状態。

先に石井が立ち上がり、内藤がコーナーを掴みながら立ち上がるのを待つ。立ち上がったところで串刺しのラリアット。ダメージの大きい内藤をコーナーに座らせ雪崩式ブレーンバスターを狙うも内藤が脱出し、逆に右足に後ろからドロップキックを入れる。石井はリング内に落下、内藤もしばらくダウンで休憩をとる。
先に息を吹き返した内藤はコーナーの石井に串刺しを狙うも、石井が両足をあげて待ち構える。内藤は足をキャッチし横に払うと、石井の両足はセカンドロープにかかった状態になり、ここで再度膝立てのネックブリーカーを行う。

ダウンからコーナーに寄りかかるように立ち上がった石井に対して内藤はコーナーミサイル、そして右腕を突き上げながらいつもの決めポーズ。
石井を起こしジャーマンスープレックスを狙うが、石井はエルボーで反撃。これに対して内藤は右膝裏へのストンピングを入れたあと、強烈な張り手を石井の後頭部に入れる。
これで石井の怒りのスイッチが入る。エルボーをくらい続けても前進する石井、それに対して内藤は唾を吐きかける。石井がエルボー一発で内藤をよろめかせる。
コーナーの内藤に串刺しラリアットを狙うが、両足でガードされる。しかし、そのあとの内藤のラリアットを躱しバックを取り、素早くコーナーマットに打ち付けるジャーマンをする。
石井は内藤を引き起こし、追撃でラストライドのようなパワーボム!そしてフォール!内藤がどうにか押さえ込みを返す。

石井は畳み掛けるように攻撃の手を休めず、内藤をコーナーへ座らせ、トップロープからの雪崩式ブレンバスター!内藤はエビ固めをなんとか返す。
石井はさらにハーフダウンの内藤にスライディングのラリアットを狙うが内藤はこれを回避。反撃に延髄斬りを狙うが石井は回避。内藤は攻撃の手を休めず、前蹴りで動きを止めてスイングDDT!ダブルノックダウン状態。

決め技も返される激しい試合

ほぼ同時に立ち上がり、エルボー合戦。石井が左右のエルボー連打を入れたことで主導権をとることができる。ラリアットを狙い内藤が起き上がるのを待つ石井だが、肝心のラリアットは両腕でガードされ、さらにあびせ蹴りを受けてしまう。そして内藤のジャーマンスープレックス。高角度のジャーマンでダメージを与えたが、投げた体勢で左足に負担がかかり内藤は足を気にする。
内藤を石井をコーナーポストに座らせて雪崩式フランケンシュタイナー!体固めで抑えるも石井は返す。

追撃で石井を起こした内藤はグロリアを狙うも、アームパンチで石井は脱出。そして石井は捕まえるために近寄るが内藤の延髄斬りが一閃、 ダウンする。
そして内藤はコーナーに登り、石井が立ち上がった瞬間に後ろからミサイルキック!石井は前転するも倒れずフラフラする。そこへ内藤がドラゴンスープレックス。投げられた反動で石井はぐるりと周り、そのまま立ち上がる。
石井は内藤に唾を吐きかけ、エルボー、頭突き、延髄斬りを連続攻撃!さらに内藤をハーフダウンの状態にしてスライディングのラリアット!そして片エビ固めに入るが、内藤はかろうじて返す。

ブレーンバスターを狙う石井だが内藤は逆に持ち上げる。これを石井がするりと抜けだし背後からラリアット、そしてロープへダッシュ。それに合わせてカサドーラからの膝固めを右足に極める。どうにか石井はロープを掴みブレイク。
内藤が石井を起こし足攻めを狙うも、アームパンチで石井が反撃。しかし内藤がストンピングを入れ、ロープ側に追い詰める。そしてロープへ振ろうとするが逆に振られてしまう。しかしカウンターでのフライングエルボーバットを命中させ、石井をダウンさせる。
アピールの後に石井を起こしてグロリア!体固めで抑えるも石井は返す。

デスティーノを狙い腕を絞り上げるが、石井はラリアットで反撃。しかし内藤はこれを避け、再度デスティーノを狙うもスルッと回ってしまい、逆にブレーンバスターを狙われる羽目に。しかし、内藤は体を入れ替え脱出をする形でデスティーノ!エビ固めも石井はかろうじて返す。

さらにもう一度デスティーノを狙うが、回ったところで捕まってしまい、体勢を変えられ垂直落下のブレーンバスターを食らう。
ダブルノックダウンに場内大歓声が沸き起こる。石井が先に立ち上がり、自らコーナーマットに頭を数回打ち付けて気合を入れる。石井が内藤を引き起こすが、ビンタによる反撃。しかし、石井はよりハードな頭突きで反撃する。そして石井は内藤を引き起こして、ラリアット!内藤は一回転する。エビ固めでフォールに行くが内藤はかろうじて返す。

フィニッシュを狙う石井はブレーンバスターを狙うも2回内藤は脱出し、3回目に崩れた形のデスティーノ?で石井にダメージを与える。なんとか石井はフォールを返す。
内藤は返した石井を無理やり起こしてデスティーノが炸裂!内藤が挑戦権の防衛に成功する。

第8試合の感想

試合自体は面白かった。石井も内藤も持ち味を出したものだと思う。ただブレーンバスターの返し方の部分で意思疎通ができていないもたついた場面が何度かあった。またダメージとスタミナ回復のためではあるのだろうが、ダブルノックダウンのシーンが長すぎるところも気になった。

舌戦の部分が噛み合っていないのが原因なのだろうか。終わってみるとやっぱり戦う動機が噛み合っていた方が面白かっただろうと思う。あまりにも石井が頑張る人とだけ見えてしまう。そこは勿体無い。

蒲郡くにかず: