ユニット・タッグチーム

ROPPONGI 3Kに伝えたい。ザ・ロッカーズに学ぶ、アイドルレスラーの振る舞い方

2017年10月9日新日本プロレス両国大会にて、ROPPONGI 3Kというタッグチームが凱旋帰国試合でIWGPジュニアタッグ王座を手に入れた。YOHとSHOに二人からなるタッグチーム、小松洋平と田中翔のことなのだがルックスやパフォーマンスといった面から、PVなどすでにあることから新日本プロレスのアイドルレスラーとしての売り出しが噂されている。

最近ではなかなか見かけないアイドルレスラーという存在。以前はどのようなレスラーがアイドルレスラーだったのか、先人であるザ・ロッカーズを元にアイドルレスラーについて考察する。



アイドルレスラーとは

アイドルレスラーとは何か。古来プロレスにはベビーフェイスとヒールという概念があった。ルチャ・リブレでもリンピオとルードという立ち位置がある。現在は明確にベビーフェイスというものは薄く、本隊もしくは体制側に相反する立ち位置がヒールになる場合が多い。
ファイトスタイルもヒールは凶器攻撃やサミングなど反則や乱入などを行い、ベビーフェイスはほぼクリーンファイトをして明確に違いを出していた。

そのベビーフェイスの中で、人気とルックスに比重を置いたものがアイドルレスラーの典型とも言える。コスチュームも煌びやかなものが多く見られ、女性人気が高かった。

日本のプロレス界でのアイドルレスラーといえば女子プロレスラーであり、古くはミミ萩原である。クラッシュギャルズやビューティー・ペアなど人気実力を兼ね揃えたスターもいたがこちらはアイドルと呼ぶには大物感があった。

日本では男性プロレスラーで本格的にアイドルレスラーとしての打ち出ししがない。世界で成功した男性アイドルレスラーはザ・ロッカーズが一番であろう。

ショーン・マイケルズとマーティ・ジャネッティ

では男性アイドルレスラーの先駆けであるザ・ロッカーズとはどのようなタッグチームであったのだろうか。

1990年前後に活躍したザ・ロッカーズはショーン・マイケルズとマーティ・ジャネッティによるチームで端正な顔つきと派手な衣装、練度の高いタッグワークなど人気があり、リージョン・オブ・ドゥーム(ロード・ウォールアーズ)やナスティ・ボーイズ、ハート・ファウンデーションとの抗争をしていた。

人気絶頂の中、このタッグチームはある事件をきっかけに解消することとなる。1991年のサバイバー・シリーズでのイリミネーションマッチでマーティ・ジャネッティがボディスラムで持ち上げた時にショーン・マイケルズに当たってしまい、このことが原因でショーンは3カウントを奪われ敗退してしまう。
こじれた関係出会ったが、ブルータス・ビーフケーキのコーナーで握手してハグが行われ、大歓声が起きる中ショーンがスウィート・チン・ミュージックでジャネッティをKO、ガラスに突っ込ませる。

このことにより、タッグは解消、ショーンのヒールターンが始まったのである。その後、"ハートブレイクキッド"ショーン・マイケルズは活躍し、ミスターレッスルマニアと呼ばれるほど長くWWF(現WWE)で活躍することとなる。

一方、マーティ・ジャネッティはというと、なかなか自分のポジションを確立することができず中堅どころで収まってしまう。

ROPPONGI 3Kに求めるもの

ベビーフェイスの最たる存在であるアイドルレスラーであるが、その立ち位置ゆえにヒールターンをした時のインパクトは大きい。ショーン・マイケルズはまさにこのパターンにハマって大成功を収めている。
ROPPONGI 3Kはロッキー・ロメロの監督のもとにあるためCHAOS配下にはなるが、現在のCHAOSにヒールユニットとしての印象はない。新日本本隊の次にヒール色が薄いため、RPG3Kとしてはアイドルレスラーとしての活動もしやすいだろう。

もしかしたら、黄色い声援を浴びながらニコニコ反則をするという新しいタイプに化けるかもしれない。もし、ヒールの試合運びをしないのであれば人気が出た後に先に本格的なヒールターンをした方が上がっていくだろう。

まだ結成間もないRPG3Kではあるが、その場合はYOHとSHOどちらが先にヒールターンをするか、今後を楽しむためのポイントの一つ。
内輪揉めからの抗争というパターンが先々出てくるだろう。

「アイドルレスラーはヒールに転じて大成功する」これがアイドルレスラーの長期的成功を叶える正しい振る舞い方となっているので頑張って欲しい。

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